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古文単語の効率的な覚え方

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2020年9月26日:共通テスト完全対応


古文単語の効率的な覚え方


古文単語の効率的な覚え方についての東大理三合格講師槇の勉強法、実践法を解説を掲載します。以下は著書「受験の叡智」【受験戦略・勉強法の体系書】からの特別抜粋(著作権保護・無断使用禁止・要引用明記)です。

東大理三講師の古文単語の勉強法


古文の勉強では、助動詞の働きや敬語、係り結びなどの文法の学習の他に、現代語とはちがう単語を学習する必要があります。 多くの人は、英単語と同じように単語帳を使って暗記していくという方法でしょう。私もそうでした。 ただ、英単語を単なる日本語との一対一の対応で覚えることが出来ないように、古文の単語も「現代語では~」と単純に振り当てられません。 古文単語の学習の際に留意すべき点を挙げていきます。まずは動画をご覧ください。




①現代語訳よりもイメージを先に覚えよう


これは英単語でも言えることなのですが、単語を覚える際は、その現代語訳よりも単語の持つ感覚・イメージを先に覚えた法が良いです。そうすれば、現代語での意味が何個もある単語の、すべての意味を覚えなくてもイメージから意味を考えることができるので効率が良いですし、意味だけの暗記では対応できない和訳問題にも対処できます。

わかり易い例が「あはれなり」という形容動詞です。手元の単語帳にある訳を全て書くと
・しみじみとして趣深い、風情がある、情緒がある
・いとしい、かわいい、情愛が深い
・素晴らしい、優れている、上手だ
・かわいそうだ、気の毒だ
と4種類の意味があります。これらを全てそのまま覚えようとするのは大変ですね。その上、実際の問題に出る時は文脈から意味を判断しなければならず、上の訳で表現しきれない使われ方もあります。

まずは単語の持つ感覚を先に覚えましょう。そして自分がその感覚を持つ場面を想像してみましょう。 「あはれなり」の持つ感覚は、しみじみとした感動や共感、「ああ・・・」と魂を揺さぶるような感情です。 美しい風景を見た時、ある人に深い情愛を感じた時、素晴らしい音楽を聴いた時、身近な人が不幸な目に遭っている時などに浮かんでくる「ああ・・・」というしみじみとした感情が「あはれなり」という言葉で表されます。 実際に自分がそういった場面に遭遇してしみじみとした感情を感じていることを想像して、それが「あはれなり」という感情なのだと覚えれば、単なる暗記よりも簡単に、深く理解できるでしょう。 現代人には現代人の感覚があり、数百年以上前の人々の感覚とは同じではありません。昔の人々がどういった感性を持っていたのかを捉えることが、古文表現を深く理解することに繋がります。

②現代語との共通点と相違に注意


現代人と感覚が異なるとはいえ同じ日本人の使ってきた言語ですから、現代まで意味が残っている言葉も多くあります。一方、数百年の間に意味が変わって、違う意味になった言葉もあります。 いずれにしても、現代に残った表現と関連させて、意味の変遷を覚えておけば、現代語訳を考えるための道筋となります。

例えば「ありがたし」という古文を見てみましょう。この単語の元々の意味は動詞「あり」+形容詞「かたし(難し)」ですから、「存在するのが難しい」ということになります。 つまり「滅多にない」というのが元々の意味で、滅多にないものだから「珍しい」という意味になりますし、希少価値があるほど「素晴らしい・優れている」という意味にもなります。また、相手から親切をされた時に、それが滅多にない尊いものだということで、「かたじけない・畏れ多い」という感情を表すようにもなりました。この最後の意味が、現代語の「ありがとう」として残っているわけですね。

一方、現代語とは違った意味を持つものにも注意しなければなりません。例えば「ときめく」という古文単語は、「栄える・時勢を得る」特に女性の場合は「貴人の寵愛を受ける」という意味になります。これは「とき」というのが時勢や栄華を表しており、いわゆる「オレの時代が来た!」というニュアンスです。 この言葉は現代語で「今をときめくアイドルたちの~」のような使われ方で残ってはいますが、「ときめく」とい言葉は「胸がときめく」といった表現で使われる方が現代では多いです。こちらは意味が違っており、「ドキドキする」といった意味ですね。

このように、一見同じ言葉でも語源が違うために現代では異なる意味になっているものもあり、注意が必要です。現代語の意味で考えないようにするためにも、現代語との関連で覚えておく必要があります。 つまり、現代に残る言葉の意味を学ぶ際には、それが現代語と同じ意味を持つのか、意味が変遷したものなのか、あるいは全く違った意味なのかを意識して関連付ける必要があるということです。

③プラスとマイナス


古文単語の中には、プラスの意味とマイナスの意味の両方を持つ言葉が多くあります。 つまり、プラスの意味とマイナスの意味とは、言葉の表す感情や状況が好ましいものと好ましくないものということです。

こういった単語の場合、実際和訳を考える際には文脈からプラスマイナスいずれかを判断する必要があります。 例えば「あく(飽く)」という単語を考えてみます。現代語で「飽きる」と言えば、「嫌になる」というようなマイナスの意味ですね。

しかし古文の場合はそのマイナスの意味の他に、「満足する」というプラスの意味があります。現代でもこちらで使われることはありますが、ほとんどはマイナスの意味ですね。前回述べましたが、このように現代語との相違・関連を覚えておくことも大事です。

他の例では、物事の程度を表す「いみじ」という言葉もプラスマイナス両方の意味を持ちます。つまり「甚だしく良い=素晴らしい」と「甚だしく悪い=ひどい・とんでもない」という意味です。「ゆゆし」もほぼ同じ意味をもちます。 あとは「こころもとなし」は、心が落ち着かない感覚を表しますが(①で説明した感覚で捉えることも思い出しましょう)、「待ち遠しい・じれったい」というプラスの落ち着かなさと、「不安だ・気がかりだ」というマイナスの落ち着かなさの両方を表します。

このようにプラスマイナス両方の意味を持つ言葉があることと、それぞれどういった訳を当てれば良いかに注意しておきましょう。

④漢字から意味を考える


古文単語の単語帳では、見出しは基本的にひらがなで表記されていますが、それを漢字で表したものも軽視せず覚えておけば、意味を考える助けになります。現代に残る熟語から意味を推測して訳を当てるということができます。

例えば「おろかなり」という単語は、漢字を当てると「疎かなり」となります。この「疎」が使われている単語を考えると「粗略」という熟語がありますね。実際「おろかなり」には「粗略だ・いい加減だ」という意味があります。心が疎か(おろそか)な状態ということです。その他「疎」を使った熟語には「疎遠」があります。よって「疎遠だ・付き合いがない」という意味もあります。 あとは「いうなり」という単語は「優なり」と漢字が当てられるので、「優美」「優雅」「優秀」という意味を持ちます。

このようにまず漢字が頭に入っていればイメージを掴むことが出来、現代語訳の際大いに役に立ちます。

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