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2020年9月26日:共通テスト完全対応
東大理三合格講師槇による数学の勉強のコツ
数学のコツを掴むことができれば数学を得意科目にすることも、難関大学の問題で高得点をとることも可能になります。そのコツの掴み方について東大理三合格者が実際の数学の問題を使いコツを解説します。普段の数学の勉強で何に着目し、どう思考し、何を得ていくべきかのかを学んでください。
【コンテンツ目次~東大理三合格講師槇による数学の勉強のコツ~】
数学のコツ - 整数問題①
今回は、整数問題の解き方について考えていきます。
整数問題を苦手とする受験生は多くいることと思います。 その理由は、確率や図形の問題と比べて、「初手」が掴みにくいからではないでしょうか。 取っ付きにくいと言ってもいいです。 素因数分解、最大公約数、合同式、互いに素、など、個々の技術は知っていても、それを最初にどう使えばいいのかわかりにくいことが、整数問題を解きにくくしています。
それぞれの技術の内容や使い方は、問題集や参考書に山ほど載っているのでそれを参考にしてもらうとして、 ここでは取り組む際の最初の考え方を見ていきましょう。
どのテクニックを使うにしても大事な事は、 整数問題は解体作業からはじめるということです。 因数分解であれ合同式であれ、処理しなければならない数や数式を、範囲を狭めながら細かく切り分けることが第一歩となることが多いです。 例題を見ながら具体的に考えましょう。中程度の難易度ですが詳しく解いていきます。
______________________________________________________________ある2桁の正の整数mを2乗すると、下2桁が36になるという。
この条件をみたすmをすべて求めなさい。
_____________________________________________________________
上の考え方通り、「解体作業」から始めてみます。 求めるのはmですから、mの条件を元に細かく分けていきます。 「mは2桁の正の整数」というなので、 m=10a+b (a,bは自然数で、1≦a≦9, 1≦b≦9 ) とおきます。
すると m2=100a2 + 20ab + b2 ですから、m2の一の位はb2の一の位と等しいことがわかります。 2乗して一の位が6になる一桁の整数は、4(2乗して16)と6(2乗して36)のみですから、 b=4,6 です。
bが絞れたので、場合分けでさらに細かく「解体」していきます。
(ⅰ)b=4 のとき
m2=(10a+4)2
=100a2 + 80a +16
=100a2 + 10(8a+1) +6
よってm2の十の位は8a+1の一の位と一致するので、それが3になるとき、
8aの一の位は3-1=2 ですから、これを満たすaは
8a=32,72
⇔ a=4,9
となるので、m=44,94
(ⅱ)b=6 のとき
同様にして
m2=100a2 + 120a +36
=100(a2 +a)+ 10(2a+3) +6
よってm2の十の位は2a+3の一の位と一致するので、それが3になるとき、
2aの一の位は0ですから、これを満たすaは
2a=10
⇔ a=5
となるので、m=56
以上から、m=44,56,94 となります。
整数問題では、最初に示された条件に基づき、どうやって解体するかということが、 最終的にどう解いていくにしても大事になります。
次回も色々なパターンを見ながら取り組み方を考えます。
数学のコツ - 整数問題②
今回も、整数問題の解き方について考えていきます。
前回は、整数問題の取っ掛かりとして「範囲を狭めて細かく解体する」ことを説明しました。 与えられた条件を元に、どのような解体の仕方をするかがキーポイントととなります。 数学では多くの問題に触れて、解法のパターンを蓄積しておくことが大事な要素となりますが、 ただ闇雲に解答を覚えるだけではパターンを学ぶことができません。 どこが解法のポイントになるかを見極め、そこに絞って学ぶことが必要です。
これから整数問題を解くときは、最初の解体方法に注目して解答を読んでみましょう。
様々な解体方法を頭に入れておけば、対応できる問題が増えていきます。
では今回も例題でパターンを見てみます。
______________________________________________________
10210
1010+3
の整数部分のけた数と、一の位の数字を求めよ。
ただし
321=10460353203 を用いて良い。
______________________________________________________
けた数については、
1010<1010+3<1011・・・①
を用いて評価すればよさそうです。
与えられた分数を α とおくと、①より
10199<α<10200
よって、けた数は200桁 (102< α <103のときなどを考えてみればわかります。)
しかし一の位の数字については、工夫が必要です。
与えられた分数を見てみると、分母の10210を評価しにくいことが難しい原因になっています。
10210をどうにかして解体する方法を考えます。
試しに分母を分子で普通に割ってみるといいかもしれません。
解答の続きは次回の記事に書きます。
「数学のコツ - 整数問題③」
今回も、整数問題の解き方について考えていきます。 前回の問題の解答の続きです。
__________________________________________________10210
1010+3 の整数部分のけた数と、一の位の数字を求めよ。
ただし 321=10460353203 を用いて良い。
___________________________________________________
10210を1010+3で実際割ってみると、
商が10200+(-3)・10190+(-3)2・10180+ ・・・ +(-3)19・1010+(-3)20 となり、余りが (-3)21となるはずです。(x=1010とおいて計算すると、多項式の割り算なので考えやすくなります。)
商の(-3)20以外の項はすべて1010より絶対値が大きいので、一の位を考えるときは影響しません。つまり、10210が解体されたことで、考えなければならない部分が絞られたということです。
よって求める一の位は、(-3)20と、(-3)21÷ (1010+3)の和の一の位であるとわかります。(上で求めた商と余りをもとに、問題の分数を展開してみるとわかります。)
= - 1.04…
なので、和は3486784401 - 1.04… =3486784399.95…となるので一の位は 9 となります。
解体の方法は他にもいろいろあります。大事なのはここで扱った方法を覚えることではなく、この記事を読んでくれた皆さんが、 自分で勉強するときに、解体方法というポイントに注目して整数問題の解法を身につけることです。 色々な問題に触れながら、「こんな解体の仕方もあるんだ」と注目して身につければ、 ただ解答を覚えるよりも楽ですし、より深く理解できます。
数学全体の勉強法に関しても同じで、解けない問題に出くわしたら、 どこが自分にとってのポイントになるのか、つまり 「どこが分かればこの問題を解けたのか」を、常に考えましょう。 そしてもちろん、こうして身につけたパターンを何度も使ってマスターすることも重要です。 身につけたパターンを色々試しながら取り組むうちに、 どの問題にどの戦法が使えるかという「カン」が鍛えられます。
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数学のコツ-方程式・不等式
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